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JR東日本|農業バイトアプリを活用した農業支援

近年、農業分野では高齢化と担い手不足が深刻化し、農繁期の人手不足が大きな課題となっています。そのような中、1日単位で農業のアルバイトを募集できるアプリ「daywork(デイワーク)」に、法人向けの機能「daywork for biz(デイワーク フォー ビズ)」が追加されたのをご存知でしょうか?

東日本旅客鉄道株式会社(以下、「JR東日本」と略称)では、この「daywork for biz(デイワーク フォー ビズ)」を活用し、従業員による農業支援への参加を積極的に推進しています。今回、その背景や取組みについてお話を伺いました。

高橋 翔さん 佐藤 英俊さん 栗田 未来さん 長谷川 都さん
今回お話をお聞きしたJR東日本の社員のみなさん 

佐藤 英俊さん(山形統括センター エリア管理 副所長)
高橋 翔さん(山形統括センター エリア管理 副長)
栗田 未来さん(山形統括センター エリア管理)
長谷川 都さん(マーケティング本部 くらしづくり・地方創生部門 観光流動創造ユニット 副長)

 御社が農業支援に取り組んだ背景を教えてください。

長谷川さん:弊社では、15年前より「地域再発見プロジェクト」を推進してきました。具体的には、地域の農業参入支援や農産物の加工工場の設置、首都圏での地域特産品の販売などを通じて、地域産業の活性化に取り組んでおります。

これらの活動を進める中で、近年、地域における深刻な人口減少が、第一次産業の活力低下を招き、ひいては第二次・三次産業、さらには地域への旅の魅力や移動需要の減少に繋がるのではないかと強く懸念するようになりました。

 農業の活力低下が旅の魅力や移動需要減少につながるという視点は、御社ならではのお考えですね。

長谷川さん:このような背景から、地域経済の根幹である農業の活性化を支援し、課題である人手不足の解消に貢献したいと考え、1日農業バイトアプリ「daywork for biz(デイワーク フォー ビズ)」を活用した従業員による農業支援に至りました。

 バイトアプリというと個人が使用するイメージがあります。企業が農業バイトアプリを使うメリットはどのようなところにあると考えていますか?

長谷川さん: 以前、生産者の方々から、アプリでアルバイトを募集することに対して「どのような人が来るか不安だ」という声がありました。「daywork for biz(デイワーク フォー ビズ)」では、募集時に企業名を明示して応募する流れのため、生産者の方々に安心してご利用いただけます。また、働く側も所属企業が明らかになることで、責任感を持って業務に取り組む意識が高いと感じています。

さらに、従業員にとっても、農作業を通じて地域の食に関する魅力に気づいてもらったり、自然の中で体を動かすことによるリフレッシュ効果、普段関わりのない他の社員との交流が生まれたりするなど、様々なメリットを感じています。

 「daywork for biz(デイワーク フォー ビズ)」には、人手不足解消だけでなく様々な面でメリットがあるんですね。それでは、農業支援の取組み先に山形県を選んだ理由を教えていただけますか?

長谷川さん: 生産者の方々の「daywork(デイワーク)」への登録者数が少ないエリアでは、まず登録を促す必要があります。その点、山形県では、山形県農業働き手確保対策協議会が積極的に生産者への普及・啓発を行っていたため、他と比較して登録者数が非常に多かったのです。特に、さくらんぼの収穫期は短期・集中で人手が必要となるため、無料で登録・募集ができる「daywork(デイワーク)」の活用が進んでいました。

 具体的にどのような取組みを行ったのでしょうか?

栗田さん: 主に2つの取り組みを行いました。一つ目に農業の副業従事者拡大に向けた取組みです。

まず、社員の家族が経営する農家さんにボランティアとしての受け入れをお願いし、社内勉強会でアプリの利用方法を学んだ社員が、実際に「daywork for biz(デイワーク フォー ビズ)」を通じて応募し、農作業を体験しました。昨年6月にはぶどうの摘芽・摘粒作業、今年2月には花苗・野菜苗の作業を実施しました。この体験を通じて、社員が農作業に興味を持ち、休日に副業として農業に従事するなど、自発的な行動につなげられたことを実感しました。

次に「新幹線はこビュン」を活用した農産物輸送も実施しました。「daywork for biz(デイワーク フォー ビズ)」で応募した従業員が早朝に収穫・検品・出荷した農作物を、弊社の物流サービス「新幹線はこビュン」を活用して首都圏へ当日輸送しました。届けられた農産物は首都圏のマルシェで販売され、大変好評をいただきました。

 最後に、今後取り組んでいきたいことについて教えてください。

長谷川さん: 近年、多くの企業において従業員の健康経営やウェルビーイングの促進が重要視されています。山形での農業バイトは、作業後の温泉や美味しい食事によるリフレッシュといった山形ならではの楽しみ方があるため、他の企業にも積極的に農業バイトを推進していきたいと考えています。

栗田さん: 社内イントラネットに農業に関連するページを作成することも考えています。daywork(デイワーク)体験者の声などを掲載することで、農作業の楽しさを伝え、さらなる参加を促していきたいです。

最後はさくらんぼポーズで撮影!JR東日本のみなさんありがとうございました。

2025年4月14日